羊毛フェルト

(固定ブログ)海外製検針器の性能を調査した結果

海外製検針器性能調査概要

羊毛フェルト製作過程において避けては通れない課題の一つに針折れがあります。

羊毛フェルトのニードルは刺し固めるために円筒(円錐)ではなく、三角柱でかえしも複数付けてるため、通常の縫い針等に比べると湾曲時の剛性が弱く、折れやすい構造になっています。

折れた針先がすぐに見つかればいいのですが、折れたタイミングが分からず気が付くと折れていたと言う経験のある作家さんも多いと思います。

製作途中の作品の中に紛れている場合、折れた針先を探すために泣く泣く製品を分解するという場合も有るかと思います。

そのような針を探す手段の一つに検針器があります。

検針器は国内の機械メーカーで製造しており、縫製製品などの品質チェックには欠かせない検査装置であると考えられます。

ただ、国産の検針器は、個人が針が折れた場合のみにぬいぐるみ等の製品内に折れた針が紛れてないかどうかを確認するためだけに使用するには、少し値段が高い印象です。

これに対して通販サイトでは国内メーカの検針器と同じ様な外観、製品番号の検針器が海外から発売されています(海外の検針器の外観や型式型番が日本製の製品に似ている事に対しての理由や関係性に関して言及は行いません)。

今回、海外製の検針器を二種類購入して、折れた針の探索に有効かどうかを簡単に調査しました。

結論としては、一番安い3000円程度の検針器と10000円程度の検針器では、目視確認で検出高さに数mmの差がありました。

但し、10000円程度の検針器でも11m程度の針先は10~12mm程度奥まで入った場合が、3000円程度の検針器では11m程度の針先は4~6mm程度奥まで入った場合が検出の限界であると考えられます。

検針器とは

検針器とはその名が示す通り針を検出する機器のことです。アパレル業界等では大型の装置を使用してベルトコンベア等で装置に商品を通過させて針残りを検出することも行われているようです。

今回調査したのは、手にもって商品表面をスキャンして針残りを探し出すハンディタイプの検針器です。以下検針器とはこのハンディタイプの検針器をさします。

検針器の原理

磁気と電気には相関関係があります。細かい事は省略しますが、永久磁石に銅線(コイル)を巻いた物の近くで鉄が移動するとコイルに電流が流れて電圧が生じます。逆に鉄の近くにこのコイルを巻いた永久磁石を移動させると同様にコイルに電流が流れて電圧が発生します。

検針器は永久磁石にコイルを巻いた物で出来ているため、検針器を検出したい製品内に鉄が含まれているとコイルに電流が流れ、それを音や光に変換して人間に鉄の存在を伝える事ができます。

検針器の性能を決める要素

検針器の性能を決めている決定的な要素は、磁石に巻いてあるコイルの巻き数によると考えられます。鉄心にコイルを巻いた電磁石の磁力の強さや、発電機が発電する電力の大きさは、コイルに巻かれている電線の巻き数に寄る事からもこのことは容易に推測されます。

日本製検針器のメーカーと商品

株式会社 ハシマ

株式会社ハシマ (hashima.co.jp)

ハンディタイプ検針器2機種ご紹介します。

HN-35W

ハンディ検針器HN-35W 

参考価格  ¥49800 ~

 

HN-30S

 ハンディ検針器HN-30S  
参考価格 ¥30800 

 
 
 

株式会社 サンコウ電子研究所

鉄片探知器・検針器コンベア式検針機 | 株式会社サンコウ電子研究所 (sanko-denshi.co.jp)

ハンディタイプ検針器を3機種紹介します。

TY-30ハンディタイプ検針器

TY-30K 高感度ハンディタイプ検針器

TY-20Zハンディタイプ検針器

今回購入した検針器

今回アマゾンから以下の2種類の海外製検針器を購入して、性能の比較テストを行いました。

JSD TY-20MJ

購入価格 ¥2980

針検出時のアラームはブザーのみです。ブザーの音は比較的大きいので、検証実験はアラーム出力窓を指でふさいで音量を下げています。

CCGOLDENWALL TY-28MJ

購入価格 ¥9750

針検出時のアラームはブザーとバイブレーションの2種類から選択できます。ブザーの音量はTY-20MJよりは小さいですが、検証じっけんでは、バイブレーションで行っているため、動画の音量も小さめです。

比較テスト方法1

実際に折れた針先2本(約11mmと約18mm)と折れてないニードル1本をセロテープで固定して、検針器がどの位の高さで検出できるかを測定します。

1.80mmニードル本体の検出高さ比較

TY-20MJ 検出高さ 

約20mmで反応

TY-28MJ 検出高さ

約20mmで反応

2.針先約18mmの検出高さ比較

TY-20MJ 検出高さ

約5~7mmで反応

TY-28MJ 検出高さ

約10~12mmで反応します。

3.針先約11mmの検出高さ比較

TY-20MJ 検出高さ

約4~6mで反応します。

TY-28MJ 検出高さ

約10~12mmで反応します(18mm針石検出高さとほほ同じ)

 

比較テスト方法2

羊毛フェルト製品には、実際には表面から垂直方向に針が刺さっている場合の方が可能性は高いと考えられます。また。作業パッドに刺さって折れた場合の実験として11mmの折れた針先を厚さ約17mmの作業パッドに垂直方向に差し込み、刺さった針の周辺で反応するか、またどの位の高さで検出できるかを目測で確認しました。また、針先が刺さった作業パッドを裏返して、作業パッドの裏側からも検針器をスキャンしました、

作業パッドに約11mmの針先を垂直に差し込み、刺した位置に〇印をつけます。

TY=20 MJ、TY-28MI共に、針先を刺した〇印の周辺に近づいてから、検出アラームを出しています。

TY-20 MJでは作業パッドに垂直に刺さった約11mmの針先が4~6mm程度の高さで反応します。

TY-28 MJでは作業パッドに垂直に刺さった約11mmの針先が10~12mm程度高さで反応します。

次に作業パッドを針先が刺さったまま裏返して、検針器が反応するかを確認します(前回の〇印を付けた物とは別の位置)。

針先を差し込んだ反対方向からTY-20MJ、TY-28MJ共に針の検出は可能です。このことから。作業パッドの厚さは約17mmなので、約11mmの針先の先端から、約6mmの高さで両測定器共反応する事が分かります。

比較テスト方法3

念のため、実際の羊毛フェルト製品に11mmの折れた針先を刺し、5mm程度のわたわたを重ねた上から検針器が反応するかを確認します。

5mm程度奥に入って刺さった約11mmの針先は、TY-20MJ、TY-28MJ共に検出可能でした。

但し、わたわたの厚みは検針器で押しつける事で変化しています、

芯材に反応しないかの確認

羊毛フェルトで動物等を製作する場合、形状を安定させるために金属製のワイヤを内部に入っている場合も多いとおもいます。基本的に磁石に反応しない素材であれば検針器は反応しないと考えられますが、確認のために、アルミワイヤ、ステンレスワイヤ、鉄製モールでの検針器の反応を確認しました。

アルミワイヤ、ステンレスワイヤ共に、TY-20MJ、TY-28MJの両方の検針器で反応しない事が確認できました。動画内でTY-29MJのLEDが点灯しているのは電源の入っている時の正常動作で、アラームは出ていません。

鉄製のモールは当然ながら検針器に反応します。

海外製検針器検証結果

上記の検証実験から、一番安い検針器と10000円程度の検針器では、目視確認で小さい針先に関しては検出高さに数mmの差がありました。

但し、10000円程度の検針器で11m程度の針先は10~12mm程度奥まで入った場合が、3000円程度の検針器では4~6mm程度奥まで入った場合が検出の限界でした

考察

国内メーカーのハンディタイプの検針器が3万円程度から7万円、8万円するのに対して、海外メーカーの検針器は安い物は3千円程度からあります。冒頭にも記した通り、針が折れた時のみ羊毛フェルト製品から針先を探す程度に使用するのであれば、安い海外メーカー品でも使えるかどうかを今回2種類の検針器を購入して検証しました。

ニードル1本丸ごと程度の質量の鉄であれば安価な検針器でも20mm程度の高さ(深さ)で検出可能です。釘やボルトなどのもっと大きな鉄部品であればもっと高い位置から検出可能であると考えられます。

羊毛フェルト製作時にどの位の深さまでニードルを刺しているかは、作家さんや、工程、製品によって異なるとは思います。ただ、今回の検証で、一番安価な検針器の検出高さは約11mmの針先で、4~6mm程度が限界と考えらました。このため。針折れの事を考えると、なるべくホルダーや複数針を使用したり、仕上げ等で1本針で刺す場合には、浅目に刺す事で、検針器での針検出精度が上がると考えられます。

今回想定される最も小さい針先(11mm程度)の検出が、最安価な検針器で4~6mm程度の高さ(深さ)で検出出来たことを考慮すると、海外製の安価な検針器でも浅い位置に刺さって折れた針先の検出には十分使用できるものと考えられます。

今回使用したもう一つの10000円程度の検針器の方であれば、検出高さ、深さは約11mmの針先で10~12mm程度まで検出可能であるのと、バイブレーション機能もあるので、より確実性を狙うのと音が気になる場合には10000円程度の検針器を使用する方が良いと考えられます。

このような使用目的の場合、海外メーカー品の数倍する価格の国内メーカーの検針器が必要になるかどうかは、実際に使用していないのでわかりません。価格に見合った耐久性や検出性精度の高さがあるのかもしれませんが、そのあたりはまた機会が有ったら(余裕が有ったら)確認してみたいです。

TY-20MJ


 

アマゾンで購入

楽天で購入

 

CGOLDENWALL TY-28MJ


 

 

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